注目米雇用統計は失業率大幅悪化、ドル安、米株安へつながりました。
ただ、全面円高というわけでもなく、市場の反応をどう受け止めるか
考察が必要かと。そしてキーワードはインフレ対応。
米5月非農業部門雇用者数:▲4.9万人(予想▲5.8万、4月▲2.8万←▲2万人)
米5月失業率:5.5%(予想5.1%、4月5.0%)
米5月平均時給前月比:+0.3%(予想+0.2%、4月+0.1%)前年比3.5%
日本も生活必需品物価上昇傾向が鮮明ですが、家計調査では4月実収入は
前年比▲1.6%というのが苦しいところ。
大統領選挙中でもあり、オバマ・マケインとも失業率悪化に懸念表明。
ただ労働力人口が前月比60万人増加という特殊要因もあり、雇用者数減少は
予想を下回っており、緩やかな景気後退ということか。
ドル安→原油高→インフレに懸念、利下げ休止を示唆したバーナンキ。
FRBはインフレと雇用の安定が使命なのでやや黄色信号ですが、利下げ効果が
現れるのは遅れますし、減税効果が3Qに出るのを待つというところ。
トリシェ利上げ示唆、インフレ抑制が第一使命のECBと差が鮮明になったのが
昨夜の相場に反映。その意味では金利相場に落ち着いてきている印象。
昨夜 東京引け 高値 安値 NY引け
ドル円 106.04 106.35 104.91 104.94
ユーロドル 1.5596 1.5779 1.5574 1.5776
ユーロ円 165.38 166.17 165.27 165.56
ドルスイス 1.0396 1.0410 1.0184 1.0185
ポンドドル 1.9557 1.9734 1.9538 1.9709
NYダウ12602.74→12209.81、米国債利回り2年物2.478→2.376、
10年物4.029→3.911、WTI130.75→138.54。
VIX23.56←18.63、ドル円1ヶ月ボラ11.30%⇒11.40%
リーマン増資必要観測やモノライン大手格下げなど信用不安系のニュースが
続いている中、為替のボラが極めて落ち着いているのは、バーナンキ発言
もありドルを売り込みづらいこと=積極的な円買い材料にも乏しいことか。
北米裏雇用統計も発表
加5月雇用者数:+0.84万人(予想+1万人、4月+1.92万人)
加5月失業率:6.1%(予想6.1%、4月6.1%)
原油高ながらインフレ懸念もなく、利上げはなさそうでイマイチ買い妙味に
乏しいカナダ円103円割れで引け。
オセアニアの明暗もくっきり。1Q・GDPが前年比3.6%成長で利上げ観測も
消えない豪ドル円は101円をキープ。一方、RBNZが声明で利下げ示唆した
NZ円は80円台半ばで日足一目雲の下に出てしまいました。3Qでの利下げ
観測ですが、27日発表の1Q・GDPに注目が集まりそうです。